防音室の性能
防音室性能はその場所施工の方法で異なります。
防音性能でよく使われる遮音等級ではD-50からD-65程度です。
各お部屋で異なりますので
お部屋ごとに表示しています。
使える楽器については
防音のランクをご覧下さい。
防音壁の概要
防音するためには、防音の構造にしなければなりません。
質量則に従って重くして尚かつ隙間をなくします。
遮音の効果を増すためにも吸音材を効果的に使うことが必要です。
壁天井床はもちろん扉をはじめ開口部の換気口やコンセントの構造まで防音にする必要があります。
防音壁の構造
壁は防音はしやすいものですが防音アパートでは、効果の別に次の3種類を選んでいます。
- 高度な防音アパートを作るため→
吸音材+全く新しい下地+石膏ボード+遮音シート+石膏ボード(+吸音材)
注:
○全く新しい下地とは既存壁に負担することなしに自立する下地です。
○一番表面の吸音材は問題なければ付けるのが望ましい - 中程度の防音アパートを作るため→
吸音材+既存下地と垂直の下地+遮音シート+石膏ボード - 通常の防音アパートを作るために→
遮音シート+石膏ボード
注:
既存の壁が充分に防音性があればこの程度防音処理でも実用性があると考えられます。
防音床の構造
- 高度な防音アパートを作るため→
既存床を取り除きコンクリート床を新たに設置する。
次にゴム敷き合板+合板+石膏ボード+石膏ボード+合板
注:
○全く新しい床下地の上に上記の新しい壁を設置します。
○タイルカーペットは厚みのあるもので床に隙間無く敷き詰めるのが望ましい
○床を撤去しない時は床を補強の上新しく床を作ることが望ましい。
- 中程度の防音アパートを作るため→
吸音材+石膏ボード+遮音シート+12mm合板 +タイルカーペット床または遮音フロアー
- 通常の防音アパートを作るために→
遮音フロアー
注:
既存の床が高度な防音床である場合はこの程度でよい。
防音天井の構造
- 高度な防音アパートを作るため→
吸音材+全く新しい下地+石膏ボード+遮音シート+石膏ボード+吸音材
注:
○全く新しい下地とは既存天井に荷重を負担させることなしに自立する下地です。
○天井には必ず吸音材を貼り付けのこと - 中程度の防音アパートを作るため→
小社仕様の防音天井
吸音材+新しい天井下地+石膏ボード+遮音シート+石膏ボード+(吸音材またはクロス貼り)
○新しい天井下地とは柱から作ります。上階床から吊り下げてはいけません。 - 通常の防音アパートを作るために→
遮音シート+石膏ボード
注:
上からの固体伝導は遮ることができません。
下からの音はある程度遮音することができます。。
防音扉の構造
防音扉の構造は隙間無く作るのですが少し困難を伴います。
二重扉にするのが基本です。
防音チャンバーの構造
防音室には必ず換気孔を設ける必要があります。防音室は高気密ですので換気が必要です。
音が漏れないように防音換気チャンバーを取り付けます。
音は急に曲がったり広くなったり狭くなったりあるいは吸音材の中を通ると大きく減衰する性質があります。
そこで、換気チャンバーは音が漏れないための小部屋です。
防音コンセント等の構造
防音にとって最大のネックは隙間です。高度な防音をするためにはコンセントのような小さな穴も塞ぐ必要があります。コンセントは通常壁を貫通しており露出コンセントによって穴を塞ぐものです。
吸音材の働き
吸音材は防音と大きな関係にあります。音が伝わるとき、空気→物→空気 と伝わっていきます。複層の防音材を使うなら 空気→物→空気→物→空気 と伝わっていきます。
また物と物の間で何度も反射を繰り返して共鳴箱のように大きな音となります。
これを防ぐのが吸音材です。
空気→物→吸音材→物→空気 とすると物と物の間の伝達も反響も少なくなります。
共鳴透過の防止
また太鼓のような構造でしたら共鳴透過と言って防音と反対に大きな音にしてしまうことがあります。
これを防ぐために吸音材を中に入れて共鳴透過を防ぎます。
共鳴透過の現象は
石膏ボードを重ね張りした時重ね合わせた石膏ボードの隙間でも起こります。
またコンクリート壁にGL工法で生じた隙間で起こることはよく知られていてコンクリート壁より遮音性能が劣る結果となってしまっています。
(GL工法とはコンクリート壁に専用の接着剤を山のように付けて石膏ボードを張り付けていく工法です。接着剤が付いていないところが隙間となって残ります。)