騒音問題を解決するため小社ではお部屋の防音入念に施工しております。
このページの目次
- 壁の防音仕様
- 天井の防音仕様
- 床の防音仕様
- 電気コンセントの防音仕様
- 換気チャンバーの防音仕様
- 防音ドアの作り方既存扉の遮音化(簡易な方法)
- 遮音の目安
防音室の作り方 壁の防音対策仕様
防音対策に使う方法は音の特性から次の3点です。
- 質量則
- Ro=20log10f・m-c(dB)
但しRo:遮音
f:周波数
m:遮音材の面密度(単位面積当たりの質量)
C:定数
即ち周波数が高くなるほど 遮音材が重くなるほど遮音する
周波数が2倍または重さが2倍になると6dB大きくなる。 - 隙間を作らない
- ドア周りや換気扇などの隙間は音が漏れる要因です。
- 共振しない
- 共振すると音が透過しやすくなります。
また二重壁になっていてもその壁が空気層を介して共鳴するので遮音性能は落ちます。これを共鳴透過と言います。これを防ぐのは吸音材を空気層に入れると改善されます。
防音壁の基本
防音壁を作る方法にはいろんなものがありますが、廉価な材料を使って防音壁を作ると次のようになります。
- 遮音シートを張り込みその上に石膏ボードを貼る
- 重いものほど音は通過しにくくなります。固いものは共振しますので柔らかい遮音シートのようなものが重さに比較して防音性のはよいです。また同じ重さであれば2枚に分けた方がよいです。
- 隙間をシール等でできるだけ塞ぐ
- 音は少しの隙間でもれます。できるだけ少なくするようにします。
既存壁を防音壁に
既存壁に遮音シートを隙間なく張り込みます。
既存壁は40dB程度の減衰があり
数字上は限度の近いのですが
遮音シート石膏ボードを隙間なく張り込むことによって
50dBを目指します。
40dBとか50dBのデシベルについては
遮音の目安を参照ください。
下地の石膏ボードを張ります。できるだけ隙間を無くすためにパテ刷りをしています。
遮音シートをタッカー(ホッチキスのような釘を打つ器具)で貼り付けていきます。
もう一枚石膏ボードを貼ります。
クロス下地ですのでパテで平滑に仕上げます。
防音室の作り方 天井の防音
既存天井が防音対策ができている場合は壁と同様に
石膏ボード + 遮音シート + 石膏ボード +クロス貼り
で仕上げます。
既存天井が
防音対策できていないな場合は
全部撤去の上防音天井に改造変更します。
防音天井に改造の仕方
天井裏を見て吊り木があれば防音天井に変更するのがよいでしょう。
- 1.既存天井の全面撤去
- 既存天井を全面的に撤去します。
- 2.天井懐(天井裏)の隙間をできる限り無くします。
- 天井を撤去すると天井裏の隙間を多数発見することができます。
特に隣とのお部屋の壁が上の床まで伸びていないことが多いと思います。
万一この部分に隙間がある場合は壁に御防音仕様と同じように
石膏ボード + 遮音シート + 石膏ボード
で塞ぎます。
- 3.上の床から天井を吊らないようにするために天井用の小梁を設置します。
- 新しく作る天井は上の床から吊りません。
上の床から吊ると吊り木を通じて固体伝導音が天井に伝わりますのでそれを防止するためです。
- 4.3で設けた小梁を利用して天井を作ります。
- 新しく作る天井は少なくとも
石膏ボード + 遮音シート + 石膏ボード +クロス貼り
できれば
石膏ボード+石膏ボード + 遮音シート + 石膏ボード +クロス貼り
が望ましいです。
もちろん丈夫に作る必要があります。
防音室の作り方 床の防音
床は忘れがちな場所です。しかし音は回り込みがありますので床もしっかり防音する必要があります。
床の防音には、
お部屋の音を外に出さない
外からの音を部屋の中に入れない
の二つがあります。
お部屋の音を外に出さない。
気になるお部屋の音の内問題になるのが床から発生する音です。床から発生する音は直接固体伝導音として
周りに伝搬していきます。この固体伝導音を発生させにくくするのが遮音フロアーです。遮音フロアーは床が音を出さない工夫がされています。
遮音フロアーについての詳しい説明は遮音フロアーをご参照下さい。
外からの音をお部屋に入れない。
前述の遮音フロアーは、遮音と言いながら遮音効果は少ないものです。防音のためには新たに
石膏ボード + 遮音シート + 合板 + 床材
として下さい。
床材には遮音フロアーを使うと最善です。
防音室の作り方 電気のコンセントの防音仕様
電気のコンセントの防音仕様
防音壁を貫くところはシールして隙間をなくします。コンセントボックスを取り付けます。
普通の電気コンセントやスイッチは
一番上に薄いカバーがついており
その向こうにアウトレットボックスと呼ばれる箱が
壁の中にあります。
アウトレットボックスは取り付けるための穴や
電線が通る穴が多数開いている薄いプラスチックスや鋼製の小さな箱です。
このアウトレットボックスは
電気の絶縁のために付けるものであって
防音するために取り付けるためのものではないのです。
そのため
電気コンセントやスイッチ類は遮音性能がないのです。
電気コンセントを防音仕様にする方法
- 在来の電気コンセントのカバーや器具を取り除きます。
- 電気の線を旧ボックス内でつないで伸ばす。
- 遮音シートを貼る
- 石膏ボードを張る
- 電線の貫通孔部分をシールする
- 露出型ボックスを取り付ける。
防音電気コンセントの模式図
防音電気コンセントの施工写真
電気スイッチ
薄いカバーを取り外したところ
表面の仕上げ材には大きな穴が開いています。
中に取り付けてあるアウトレットボックス
防音対策として隙間を無くすのは原則です。
中のボックス(アウトレットボックス)は電気の絶縁のために設けられているもので
電線の貫通孔や取付のための穴が多数開いています。
電線が短いので旧ボックス内で電線を繋いで伸ばします。
遮音シート石膏ボードで電気コンセントの穴を塞ぎます。
隙間ができるのでシールします。
露出型電気コンセントを取り付けます。
防音仕様の電気コンセントの完成です。
これらの工事をするのは電気工事士の免許を持ったものが
する必要があります。
ちなみに私は電気工事士の免許を持っています。
防音室の作り方 扉の防音仕様
普通の扉はフラッシュ造りと呼ばれる薄い合板を表裏に貼ってある構造です。
音は重さに比例して透過しにくくなる性質があります。(質量則と言います)
ドアの外側に厚手の合板(厚み12mm)を張ると遮音性のは良くなります。
合わせて遮音シート合板を張ることによって
防音性を高めます。
部屋の外に音源
(写真の場合はディスクグラインダーで防音しにくい低音域の音が多い音源です)
を置いて測定します。
94.3dBで相当やかましい状態です。
防音対策未対策の場合の部屋の中の音の大きさです。
77.4dBと読めます。
16.9dBの減衰です
室内ドアに厚み12mmの合板を張って
防音対策をした場合の音の大きさ
73.3dBと読めます。
21dBの減衰です。
合板を張ったことによって
4.1dB改善されました。
人間の感覚としては
半分になったように感じます。
防音ドアの作り方
室内木製ドアを防音ドアに改造します。
防音ドアの作り方
室内ドアをはずします。丁番取っ手も取り除きます。
遮音シートを貼り込みます。
合板を張ります。合板の厚みは12mmです。防音性を高めドアの下地を作ります。
ドアの気密性をあげ重くしてして遮音性をあげます。
出来上がった防音ドアをドアを建て込みます。(取り付けます)
防音ドアの表面にシールを貼ります。今回は薄い柄のものを貼りました。
防音ドアに取っ手を取り付けます。
防音ドアの戸当たりがない場合
防音ドア周りに隙間があって騒音レベルは75dBです。
防音ドアの4周に戸当たりを付けます。
防音ドアを締めたときの騒音レベルは66.5dBです。
戸当たりは隙間なく取り付けるのが基本です。
ゴムやモヘヤの戸当たりより直接接触する方が
減衰が多いです。
防音室の性能
出来上がったお部屋の防音・遮音性能を測定します。
実際には難しい方法で計るのですが
簡単な方法で測定します。
まず部屋の中に大きな音が出るものを置きます。
実際の音は低音や高音が混ざっていたりするのですが、
低音域の音は遮音しづらいので低音がよく出る機械で測定する方が実際の音と
合っていると思います。
また騒音源の振動が直接床に伝わると板振動伝わるので実際の騒音よりよく伝わってしまいます。
そこで柔らかい台の上に置いて音を出します。
今回の測定はディスクグラインダーを段ボールのはこの上に置いて音を出しております。
部屋の中での騒音は91.4dBと読み取れます。
防音ドアに改造したドア外での騒音レベル
66.8dBと読み取れます。 部屋の中より24.6dB低くなっています。
廊下での騒音 39.5dBです。51.9dB低くなっています。
youtubeで効果をみて下さい。
をご覧下さい。
防音換気チャンバーの作り方
今回のお部屋では気密性があまりよくないので、換気チャンバーは付けていませんが、換気が必要な場合は換気チャンバーを作ります。
遮音の目安
遮音の目安は騒音の種類によって次のようです。
D-50ですので充分な防音性のがあると思います。
遮音等級表と目安の音 _______________________________ 音等級 ピアノ音等 テレビ・ その他の例 特に大きい音 ラジオ・会話の に対して 音に対して _______________________________ D-55 静かなときに 全く聞 夫婦喧嘩も 聞こえる こえない 大丈夫 _______________________________ D-50 小さく 通常では 日常生活上 聞こえる 聞こえない 問題なし _______________________________ D-45 かなり ほとんど 在宅の 聞こえる 聞こえない 有無がわかる _______________________________ D-40 曲が 小さく 電話の はっきりわかる 聞こえる ベルがわかる _______________________________ D-35 良く かなり 電話の 聞こえる 聞こえる ベルが聞こえる _______________________________ D-30 大変 話の 生活が 良く聞こえる 内容が分かる 分かる _______________________________ 備考 ピアノのプロは 声の大小で 生活音 1ランク下になる 上下に 気配での例 1~2ランク動く、
防音の目安の単位 デシベル について
91デシベルが51デシベルになると どれくらい騒音が 小さくなったかというと 100分の1になったと言うことになります。 100分の1にもなっていたら
ほとんど聞こえなくなるのではないかと 思われるでしょうが、 人間の感覚の尺度は ウェーバー-フェヒナーの法則に 従います。
ウェーバー-フェヒナーの法則
物理的刺激量と反応としての感覚量ないし心理量との関係についての法則。ウェーバーの法則を精神物理学の創設者フェヒナー(G.T. Fechner)が発展させたもの。感覚量ないし心理量は刺激量の対数に比例するとする。フェヒナーの法則。
人間の耳は すごいですよね。 100分の1でも ちゃんと聞こえるみたいなんですよね。 普通に考えると そんなもの小さいもの 聞こえるはずがないのに 耳はすごいですよね。
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